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第7章 研修

 

1 原則及び目的

 

新規採用された上級公務員またはそれに準ずる公務員および事務担当者は、中央公務員大学が行う基礎研修課程を修了しなければならない。また、中央公務員大学の実施する研修の他に、各部局がその必要性に応じて専門的な内部研修を行っている。

公務員研修の目的は、以下の4つである。(12)

(1) 公務員が自らの義務と責任を充分に理解し、任務を効率的に行い、経済・社会・政治・行政の各分野において国民の利益に奉仕するよう、育成すること。

(2) 全員参加の議論を通じて行政上・経営上の問題に解決策を見出し、意見交換と経験の交流を通じて仕事の質を高めること。

(3) 調査、論文作成・配布、チームによる調査報告書作成などを通じて、技術上・経営上のノウハウを開発すること。

(4) 国の防衛に貢献すること。

 

2 中央公務員大学

 

ミャンマーにおける中心的な公務員研修機関は、中央公務員大学である。1965年に社会主義体制を支える公務員を養成する目的で、「中央人民公務員研修所」として設立された。1977年に公務員選抜研修院法の公布により格上げされ、現在の中央公務員大学の原型となった。大学はヤンゴン郊外約80キロに位置し、1千エーカー(1エーカー=約4047平方メートル)という広大な敷地を有する。3千人の研修生を受入れ可能な宿泊設備を誇っている。

中央公務員大学における研修の目的は、研修者の業務に対する心構えを醸成する、基本的な業務上の知識と技能を身につける、基礎的軍事教練を通じ体力の向上と愛国心を植え付ける、の3つである。

本学の研修コースは大きく2つに分かれる。即ち、通常コース(regular courses)と特別再教育コース(special refresher courses)である。前者は従来より中央公務員大学が実施してきた研修コースであり、後者は1988年の民主化運動(政権からみれば反政府運動)以降、政府が公務員に対する監督強化の必要性を感じて始まった「再教育」である。

 

(12) 以下、『中央公務員大学:設立と機能』(1998年)を参照。

 

 

 

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