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2 地理・民族・言語・宗教

 

ミャンマー連邦は東南アジア大陸部に位置する。国土面積は67.7万平方キロメートル(日本の約1.8倍)で、東南アジア10カ国中インドネシアに次ぐ大きさを有する。国土は南北に2,090km、東西に925kmに拡がり、2,832kmの海岸線を持つ、南西部をバングラデッシュおよびインド、北東部を中国、南東部をタイ及びラオスと、それぞれ国境を接している。人口は約4千6百万人である。

同国には135の民族が存在するといわれ、彼らは多様な言語と生活様式をもつ。連邦は行政上7つの管区と7つの州に分割される(参考地図:ミャンマー連邦)。州とは非ビルマ族の居住地域をその地域の主要民族名によって区分けしたもので、管区とはビルマ族の居住する地域をその中心となる都市名によって区分けしたものである。しかし、完全に住み分けがなされているわけではない。

ミャンマー連邦の総人口の約70%を占めるのがビルマ(バマー)族で、その他の主要民族は上述の州名にも用いられている、シャン族・カイン(カレン)族・ラカイン(アラカン)族・モン族・チン族・カチン族・カヤー族などである。また、華人・インド人も存在する。言語的には総人口の75〜80%がビルマ語を母語としており、公用語としてもビルマ語が使われている。宗教別では、仏教徒が90%を占め、これにキリスト教徒(5%)、イスラム教徒(4%)、精霊信仰とヒンドゥー教徒(各1%前後)と続いている。

 

3 歴史

 

(1) 王朝時代

ミャンマー最初の統一王朝はパガン王朝であるといわれる。ビルマ族が9世紀半ば頃にバガンの地に都を定め、国家を築き、11世紀半ばにはアノーヤター王が全国を統一した。

13世紀後半、国力の衰退していたバガン王朝は、4度にわたる元寇により崩壊した。その後、上ビルマではシャン族が王朝を建て、下ビルマではモン族のハンタワディー=ペグー王朝が成立していた。シャン族王朝の成立により南下を余儀なくされたビルマ族は、1531年ダビンシュエディーの即位をもってタウングー王朝を興し、この王朝は再び全国統一を成し遂げた。17世紀にはいるとオランダ、イギリス、フランスの東インド会社がミャンマーに進出し、商館を開設した。

1751年南部のモン族の攻撃によりタウングー王朝は滅びた。しかし、アラウンパヤーがモン族軍を破り、コンバウン王朝を建設した。アラウンパヤーは南下を続けダゴンを占領、「敵が尽き果てる」という意味のヤンゴンに名称を変更した。また、マニプール遠征、タニンターイー(テナセリム)奪取、モウッタマ(マルタバン)及びダウェー(タヴォイ)編入など、対外拡張政策をとった。

 

 

 

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