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VI 少子・高齢化社会に対する労働力減少への対応

 

1. アウトソーシングと再雇用による対応〔第24図参照〕

少子・高齢化による労働力減少への対応策としては、数多くの対応策があるところから、それらを列挙し、複数回答によってひとまず全体的傾向を調べることとした。その結果、267社の回答企業中69.3%の企業が「アウトソーシング(業務の外部委託)」の活用を第1の対応策として取り上げ、次いで「高齢者の再雇用」を66.7%の企業が挙げている。

なお、「高齢者の再雇用」で労働力減少に対応するという策は、後述の「第2部 調査結果の分析」で詳しく述べるが、規模間格差も産業間格差も少なく、「アウトソーシング」よりむしろ一般的な対応策かと思われる。また、平成13年から公的年金の支給開始年齢が引き上げられることとされている中で、雇用と年金の連携が切実な課題となっていることも視野に入っているのかも知れない。

過去において55歳から60歳に定年年齢の延長が行われた際、その移行措置として再雇用制度等が活用されたが、少子・高齢化による労働力の減少を控え、また、雇用と年金の連携という視点からも「アウトソーシング」とともに各企業の対応策として再び活用されるのではなかろうか。

 

2. その他の対応策〔第24図参照〕

「アウトソーシング」、「高齢者の再雇用」以外の対応策としては、「部門の統廃合」(49.4%)、「女性社員の上位ポストヘの登用」(45.3%)、「短期雇用が可能な非常用者の雇用拡大」(41.9%)を挙げている。

さらに、「その他」としては、「中途採用の拡大」、「業務の見直しによる生産性の拡大」を挙げていたが、「少子・高齢化対策は今後の課題であり、現段階では特に対策は講じていない(講ずる予定がない)」という企業が2〜3社見受けられた。

 

第24図 少子・高齢化による労働力減少への対応策

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VII 職場におけるメンタルヘルス対策

 

1. メンタルヘルス対策〔第25図参照〕

従業員のメンタルヘルスについて何らかの対策を講じているか、については、288社から回答があり、全体では「講じている」が37.5%、「講ずる予定がある」が7.6%と両者併せても45.1%と5割に満たない結果を示した。メンタルヘルス対策を推し進めることは、職場の活力の向上、能率の増進をうながすことともなり、一層の取り組みが重要であると思われる。

 

第25図 社員のメンタルヘルス対策

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