5.1.8 曲り外板加工曲型
各単位の外板展開と由理では、取扱うフレームに「正規」と「切直し」がある。
正規フレーム:船全体で一貫して決められ(船体系)、内構やフレームの取付位置となる。前章で見た[表5.1.19′曲り外板ブロック板継仕上げ寸法表]で、正規フレーム…と断ってあったのは、マーキンに使うフレームとして特定する意味である。
切直しフレーム:個別のブロックまたは単位の外板毎に設定され(定盤系)、その工程までの便宜で用いられる。
[写真5.1.1 フレーム線マーキン]で、Fナンバーが正規、Kナンバーが切直し…である。
切直し展開については、別冊『現図展開』参照。
ここでは金取マーキンと曲加工について述べる。
切直しフレーム面は撓鉄定盤に鉛直で、切直し曲型は[写真5.1.2 切直し曲型]に見るように、曲げ外板にほぼ直角に当てるようになる。また、見透面は板幅の中央部を走るように決める。
したがって:-
1)曲型の形状=外板の横曲げ形状なので判りやすい。
2)曲型の置き方:外板上への支持がしやすい。
3)曲型当度による見透変動が少なく、精度がよい。
[図5.1.24 曲型当度誤差]に見るように、角度誤差δでの見透高さは、正規フレーム曲型では変化大であるが、切直しフレームでは変化小。また、正規フレームでは、シームの流れに依っては、板幅方向にも見透しを落とすことになり、当度誤差の精度影響は更に大きくなる。