同じような事情で、取付度を、初めのところの[図1.1.2 透明型での舷区分]で見たように、取付部材の取付辺に示すこともある。この図例のBKT.では、取付度の記号に「尾」の追記があるが、この取付度がマーキンされた面側の取付度と分かるものの、念のために尾面の取付度と断っていると見ることができる。では、なぜ取付辺の方に表示するか、このBKT.が小組立取付でなく、大組立仕上げマーキンで取付線が描かれる場合の選択ではないか…と考えられる。造船の作業は、できるだけ前の工程で済ますのが原則で、取付度を組立工程マーキンとせずに部材加工での作業に移したのである。
Fc.PLの取付度も、ウェブの取付辺に表示する。これは一般にT付きであるFc.PLマーキン面に、取付度の表示スペースが取れないからである。
さて曲面への取付度は、どうなるか。
幾何学的に定義すれば、取付部材面の取付点における接平面とのなす角であるが、自由曲線への接線を引く作画そのものが、かなりあいまいである。ここでは定義から離れて、取付度の受け渡しの目的は、ともかく現図形状の船体現物への再現であると考える。
そうすると、いろんなやり方が見えてくるはずである。
出っ張った曲面への取付度を与える例を[図2.3.11 凸面取付度]に示す。取付時に使う当て型:取付度型を作成し、当て位置を指定するのである。