ここでのエンドユーザーコンピューティングとは、どんな寸法図にするか…を、寸法図を使ってマーキンする人自身が決めて、自分でアウトプットする…という意味である。
寸法図から累積寸法を読み、直接に物差やスケール・テープを使って、現物にいきなりマーキンするようにしたい。
たんに寸法図から定規に書き直すのは、作業自体が機械的で無味乾燥で“人”のやる仕事ではない。どうしても定規にしたいのなら、現図工程に作らせず、マーキン工程で前準備としてやればよい。自工程作業の事前検討になり、記入も自ずと簡略化に向かうはずである。(参考:鉄骨・橋梁メーカーでは、NCテープ作製機を使う所がある。スチールテープに原寸を目盛る作画機の一種である。これならよいが、曲線部の多い造船では、適用が限られ、採算が取れない。)
1.2.2 NC切断/マーキング
電子データに直結し、従来の型・定規は不要となる。
さらにネスティングやカッターパス…といったカッテングプラン機能が取込まれることになる。ここでもNC指令をアウトプットするソフトに差異がある。
また、ラインマーキンは普及しているものの、開先切トーチブロックや印字装置には採否や、採でも制御機構に差があり、ソフトの相互運用性に留意が要る。
加工外注の場合、発注元が発注先のNCコード様式にアウトプットして供給するのが通例となっているが、発注先では異なった発注元の各ソフトの効率が比較できるので、もしも優劣が目立つようなら最優ソフトにて再処理するようにするとよい。各システムのデータ様式の開示が進み、相互乗入れが可能になってきている。
[図1.2.3 パソコン数値現図システム構成(例)]参照。