まえがき
FRP船造船業は、不飽和ポリエステル樹脂・ガラス繊維・有機溶剤等を使用するため、労働安全衛生、消防及び環境保全関係の法規制を受けております。
しかし、これらの法規制は広範囲な企業を対象として定められているため、FRP船造船業に適用する場合、難解な面があり実態に則した指導を多くの企業から要請されてきました。
このような状況下において、昭和53年度に(社)東海小型船舶工業会が中部運輸局の指導のもとに、日本財団の補助を得て作成した「FRP造船業環境衛生指導基準」を原案として、当会が指導基準作成委員会を設置して全国各地のFRP造船所の実態を調査し、運輸省海上技術安全局の指導のもとに、本指導基準(解説付)を作成いたしました。
このたび、安全衛生及び環境に対する社会情勢の変化に対応して、広範に関係法規の改正がなされたため、平成9年度に、FRP指導書作成分科会において全面的な見直しを行い改定いたしました。
本書が広くFRP造船所において活用され、従業員の安全衛生の確保及び工場災害と公害の防止に役立つことを期待しております。
本指導書の作成に当たっては、運輸省海上技術安全局のご指導並びに日本財団のご理解あるご援助をいただいたことに感謝するとともに、委員各位並びにご協力いただいた方々に対し心からお礼申し上げます。
昭和10年12月
日本財団 日本小型船舶工業会
会長 真砂忠夫