(6) 社内の拠点を結ぶネットワーク接続形態
以上述べた有線通信を利用しての社内ネットワーク接続形態には、大きく分けて、ネットワーク型接続とダイヤルアップ型接続の2種類がある。さらに、ダイヤルアップ型接続には、LAN型ダイヤルアップ接続と端末型ダイヤルアップ接続の2つがある。
1) ネットワーク型接続
ネットワーク型接続は、専用回線やフレームリレーのように、接続先が固定のネットワーク接続である。この場合、接続される相手先とは常に、回線網における通信路が開設された状態である。従来のLAN間接続のほとんどが、このネットワーク型の接続方式であり、接続される相手先はあらかじめ決められた相手だけになる。(図2-6「専用回線を利用した接続形態」参照)
2) ダイヤルアップ型接続形態
ダイヤルアップ型接続は、一般公衆回線やINSネットのように交換型(相手の番号を指定して接続)の通信サービスを利用して、接続の要求に応じて回線の接続ならびに切断を行なうことができる。また、接続相手も回線が空いている場合には、いくらでも異なった相手との通信を行なうことができる。すなわち、ダイヤルアップ型接続形態では、ダイナミックに接続する相手先を変更することができる。(図2-5「INSネットを利用した接続形態」参照)
1] LAN型ダイヤルアップ接続
ダイヤルアップ型接続形態におけるLAN型ダイヤルアップ接続では、公衆回線を通して接続される相手がLAN環境であり、LAN上の複数のコンピュータ機器が相手側のコンピュータ機器との間で通信を行なうことができる。このため、接続のタイミングは、回線に流れるデータが発生した時点で、ルータ装置によって自動的に接続される。回線切断のタイミングについては、いろいろなルータによってまちまちであるが、データの流れを監視して、ある一定の時間を経過してもデータが流れなくなった時点(無通信タイマーのタイムアウト)でデータ転送の終了とみなし、回線を切断する方法が一般的である。
2] 端末型ダイヤルアップ接続
通常、コンピュータ端末から直接インターネットにアクセスする場合、モデムまたはISDN用端末アダプタ(TA)を介して、相手先のルータ装置に接続する。この時のルータ装置は特にダイヤルアップルータと呼ばれ、あらかじめ登録されたユーザからの接続要求に対して、そのユーザの認証など特殊な処理を行なった上で接続する。この方式を、端末型ダイヤルアップ接続と言う。
以上は、社内の拠点間におけるネットワーク接続形態であるが、これはインターネットへの接続の窓口を行っているインターネットサービスプロバイダ(ISP)との接続形態についても同じことが言える。この場合、社内・社外との電子メール(E-mail)やインターネットのホームページの閲覧を行うわけである。また、構築したネットワーク上に電子メールサーバを導入し、独自で管理・運営する方法もあるが、契約したISPの電子メールサーバをあたかも社内の電子メールサーバのように使用することも可能である。この方法は、社内にメールサーバを導入するよりは安価に電子メールシステムを構築することができる。しかし、社外秘となるメールを扱う場合には、セキュリティを考慮し、暗号化を施すなどの処理が必要である。図2-11にインターネットへの接続形態を示す。