6. ミッションのシミュレーション
ステーションのミッションのコンピュータシミュレーションが行われた。
要求条件は、(x,y,z)=(0,0,1100)m、ψ:0°。
(1) 自由降下;約200kgのバラストを積んで、艇は自由降下する。
(2) バラスト投下;海底の上部100mで投下すると、艇はニュートラルになる。
(3) 制御;艇はud=0.5m/sで、(x1,y1,z1)=(0,0,100)m、迄進む。半径ρ0は25mである。
(4) 位置決め;(xd,yd,zd)=(0,0,1100)m、船首は0°。
(5) 帰還;SIRENEはステーションを離し、自由浮上する。重量がマイナスであるからである。
図-2は艇の航跡のシミュレーション結果である。
艇は、初期位置(x0,y0,z0)=(0,0,0)m、(φ0,θ0,ψ0)=(0°,-7.5°,0°)からスタートし、バラスト200kgを積んでいる。
図-3は、フェーズIIの制御モードである。t=2000sを過ぎてからメインスラスタT1とT2が作動し、t=2283sで艇は所定のポイント近傍に到達する。そこで、制御モードIIが作動を始め、横スラスタT3と垂直スラスタT4が作動し、所定の位置に艇は到達する。
7. 実験結果
前節でシミュレーションを示したが、SIRENEに搭載されたコンピュータにより、実際にテストすることが必要である。
1997年7月から12月にかけて、仏のツーロン沖でステーションのモックアップとSIRENEによりシリーズテストを行った。図-4、5、6、7は、その結果である。
この結果は、LBLによる艇の位置出しと、スラスタのデータに基づいているが、これらデータをスムーズにするためのドップラーユニットを使用しなかった。このため、測定位置での不連続性を生じている。
8. 結論
本稿は、水中無人シャトルSIRENEと深度4,000mの海底ステーションとのコントロールシステムの設計と実験を紹介したものである。
今後はシャトルとステーションの結合のための更に進んだシステム制御方式の開発と、横スラスタ無しでのシャトルの向きと位置を正確にコントロールするテーマに取りかかることになる。