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3. 雑感及び謝辞

 

(1) 今回のOMAE'98はバスコダガマのインド航路発見500周年を記念して開かれたリスボン特別博覧会(EXPO'98)とあわせて開催されたので、リスボンというやや珍しい場所にもかかわらず、世界各国から480名、日本からも当センターからの出席者を含めて多勢参加することとなった。

(2) 当センターは、ここ数年このOMAEに参加しているが、それは主として深海掘削船や波力エネルギーに関係してのことであった。しかし、この度は水中機器のセッションにも積極的に参加した。

(3) OMAEは、どちらかと言えば海洋石油業界の技術シンポジウムの感が強く、次いで海洋浮体技術などが中心で、カナダに見られるような氷海石油技術も含まれる。これには、係留や腐食、メンテナンスなどの技術も重要である。内容は技術者や大学の学者によるハイレベルなディスカッションが行われている。この点ではOTCやOCEANSと同じレベルであるが、メーカーによる機器の展示はないのが大きく異なる。

わが国からは、船舶海洋学部のある大学、船舶技術研究所、造船所から多数参加し、各セッションのチェアマンなどを勤め、大型浮体やROVではリードしている感じである。本調査員藤井特任参事もこのConference Advisary Commiteeのメンバーになっている。

(4) IFREMERは、西欧で最も海洋研究の熱心な研究所で、当センターとも昔から交流してきた。6〜7年前STAフェローで1年間当センター深海技術部に留学していたNokin氏と連絡をとっていたが、あいにくツーロンでは不在で会えず残念であったが、AUVの開発担当として活躍している由であった。J. L. Michel技術部長が丁寧に半日間説明してくれたが、当センターより進んでいる二つのAUV開発はこれからの目玉であろう。本年7月締結した研究協力MOUに基づき、これからますます緊密に情報交換をしていきたいものである。

(5) サウザンプトン海洋研究所は、新しく2年程前に同所の旧コンテナーヤードの跡地に施設を建てた由であるが、大学の共用施設として英国の海洋研究所として総合的に研究を行っている。予算的には苦しいのかもしれないが、各大学と協力して熱心にAUVプロジェクトやWOCEなどを遂行している。

なお、同所訪問に際しては、岩井芳郎ロンドンジャパンシップセンター所長(当センター元主幹)にご同行戴きお世話になった。

(6) 本調査に際しては、日本財団殿の全面的なご理解を得て実施したものである。心よりお礼申し上げます。

また、本報告の取りまとめにあたっては、別途OMAEに論文発表のため参加した海洋技術研究部野本昌夫主任研究員、同部中条秀彦氏、同部流動研究員U. A. Korde氏、海洋観測研究部中村敏明副主幹各氏の協力を得た。併せてお礼申し上げます。

 

 

 

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