グに関しては、稼働率が100%に近い状態である。特にメキシコ湾で7,000フィート以上の大水深域の鉱区開発が始められたため、それに対応するリグとして、1999年〜2000年に完工する新造(14隻)、改造リグ(5隻)のほぼ全貌が今回のOTCでつかめたことは調査の意義が大きい。
現時点では原油価格が低下していても2000年頃には上昇することを見込んだ石油会社が、一気に鉱区開発の契約を掘削会社と結んだためと考えられる。
新造される船型リグのほぼ共通といえる特徴としては、
1) 船体寸法が大きい。全長200mを越える。これまでの代表的な船型リグ;ディスカバラー・セブン・シーズ号は全長約163m。
排水量は従来2万トンクラスであったものが、5万〜10万トンとなっている。
2) DPSを装備し、ほとんどがClass-3という最高級のグレードである。ただし、ディスカバラー・エンタープライズ号はClass-2である。
3) 新しいコンセプトの掘削機器を搭載している。
「Dual Rig」
「Dual Handling」
「Ram Rig」
4) 大きな船体を生かし、貯油能力を有するものもある。
また、セミサブ型リグについても大型化、高性能化が進んでいる。各社が第5世代のセミサブ型リグを展示していた。
ジャッキアップ型リグ、FPSO、TLPその他については特筆することが少ないので省略する。
(1) モノハル型掘削船
(a) Discoverer Enterprise
Transocean社が現在、スペインのAstanoで建造中のモノハル型掘削船である。
2本のDrill stringを同時に吊り下げられる“Dual Derrick”が採用されていることが大きな特徴である。また船体寸法が既存のモノハル型掘削船、Discoverer Seven Seasの約1.5倍、排水量が約4.5倍にもなっている。