
ペルーの貿易は、輸出の大半が国際価格変動の影響を受けやすい第一次産品、特に鉱物資源、水産物(魚粉)などであり、ペルーの経済を不安定にしている。
政府はこれまでの一次産品依存の輸出構造からの脱却を試み、一応その成果はあがっている。
また、各分野で進行中の民営化は、効率的な経営のもと生産性を高め、輸出額の増加に貢献している。
一方、94年に輸入障壁が緩和されたことにより、輸入の伸びが輸出の伸びをはるかに上回り、貿易収支の赤字が続いている。
貿易赤字は、97年は輸出の好調により赤字幅はやや縮小したが、依然として高水準にあり経常収支の赤字要因になっている。
97年の輸出は年初の計画を大きく上回り、特に鋼材や冶金製品などの非伝統産品が70%台の伸びで激増し、伝統産品の魚粉、繊維製品も価格上昇により30%台の伸びを記録したが、主力の銅は横這いに終っている。
一方、輸入は政府の支出削減が響き原材料、資本財を中心に鈍化し、輸出の伸びを下回った。
ペルーの主要輸出商品は、金属(特に銅、金、亜鉛、鉛など)、魚粉、繊維製品および石油・石油製品であり、輸入では工業用原材料・資本財、食料(特に穀物)などである。
貿易相手国では、米国が引続き首位(97年輸出は19.9%、輸入は30.7%)であるが、輸入ではコロンビアなど低関税のアンデス共同体諸国のシェアが拡大してきている。
対日貿易では、黒字基調が続いており、金属(銅、亜鉛など)、魚粉、魚介類などを輸出し、自動車、トラックなどを輸入している。
経済援助(95年)では、日本は米国に次ぎ世界第2位となっている。
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