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 ブラジルの貿易収支は、1995年から赤字貿易に転じている。
 特に、97年は活発な投資に加え、レアル高から原材料、資本財の輸入が激増し、関税引き下げにより自動車輸入も増加したため、貿易赤字は前年比で倍増となった。
 輸出はコーヒー豆、大豆などの主要農産品に加え、特に輸送機器が好調で伸びたが、輸出金融の金利を安くし、一部主要産品輸出にVAT(付加価値税)を免除(96年)したことなどが好影響を与えている。
 輸出入とも米国が依然首位を占めているが、アルゼンチンの躍進が目覚まく、チリもメルコスール(南米共同市場)との自由貿易協定締結で貿易額を伸ばしており、当国のメルコスール重視がみてとれる。
 なお、最近はアジア諸国との関係が深まってきているが、97年後半からのアジア諸国の景気低迷はブラジルの輸出入への影響が懸念されている。特にブラジルの代表的な輸出品の一つである鉄鉱石は、現在輸出の40%以上がアジア諸国向けである。
 対日貿易では、輸出は原料品が多いが工業製品もシェアを伸ばしており、輸入は90%以上が工業製品である。
 また、有償資金協力中心の日本のODA供与実績は、ブラジルが中南米第1位である。

 

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