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 パラグアイの貿易は、輸出の大半を占めているのが農産物であるが、特に大豆と綿花が中心であり、輸出総額の50%を占めている。
主要輸出商品は、大豆および大豆副産物、綿花、木材および木製品、食肉、牛皮などであり、輸入では機械、機器、輸送機器、鉱物性燃料、飲料、タバコなどが主なものである。
 輸出品の大部分が、価格の上下しやすい第一次産品であるために、総輸出額は世界的な需要、生産高に影響を受けやすい。
 一方、輸入は安定的に伸びている。
 貿易収支は、1989年に黒字を計上した以外、赤字基調が続いており、97年の貿易赤字は15億2,100万ドルにまで拡大している。
 対外貿易に関しては、メルコスール(南米南部共同市場)経済圏の結成によって、ブラジル、アルゼンチンおよびウルグアイとの結びつきがより深くなっている。
 現在では、パラグアイの輸出額の約65%、輸入額の約55%が圏内で行われており、特にブラジル、アルゼンチン両国の経済動向がパラグアイの対外貿易、ひいては景気をも左右している。
 なお、貿易収支の赤字については、かなりの経済規模を有しているインフォーマルセクター(路上の商業活動、密輸など)の経済活動を加味する必要がある。
 対日貿易では、日本はブラジル、アルゼンチン、米国に次いで第4位の輸入相手国となっており、主として大豆、毛皮、木材などを輸出し、トラック、乗用車などを輸入している。
 経済協力については、日本は1950年にインド、ベトナムに続き、日本として第3番目の円借款(河川航船)供与をしたのを初めとし、96年度までに有償資金770.83億円、無償資金220.31億円、技術協力511.4億の援助を行っており、76年以降の二国間援助では94年現在、日本が最大援助国(83.2%)となっている。

 

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