
エネルギー資源に恵まれているカナダは貿易依存度が高く、輸出はG DPの38.4%、輸入は35.3%(96年)を占めている。
また、対米依存度が高く(96年は輸出の81.3%、輸入の81.3%)米国の景気に左右され、また資源中心の輸出のため、国際一次産品市況の動きの影響も大きい。
輸出入とも規模は年々拡大しており、貿易収支も黒字を続けている。
しかし、97年は輸出が前年比5.4%伸びたが、好調な内需を背景に設備投資と生産拡大に向けた機械類、工業用原料、原油などの輸入が増え、全体で同14.7%増と輸出を上回って増大したため、黒字幅は縮小した。
内需主導の景気拡大が続く限り、この構造は変わらず、貿易収支黒字はますます減少するものとみられる。
主要品目別にみると、96年の輸出の増加に最も貢献したのは、天然ガスを中心に伸びたエネルギー製品および機械機器である。
これらの輸出増加のほとんどが対米輸出によるものである。
林産品の輸出は、パイプ、紙製品の価格下落の影響もあって対メキシコ、対日本輸出が減少し、前年比8.2%の減少となっている。
輸入では、米国、英国を中心とした原油の輸入が大きく増大し、化学・プラスチック製品、航空機、乗用車がこれに次いでいる。
相手国別では、輸出は米国が首位(82.3%)で、日本、英国、ドイツ、中国がこれに次いでいる。
輸入も米国が首位(67.4%)で、日本、英国、メキシコがこれに次いでいる。
対日貿易は恒常的黒字貿易であり、木材、石炭、パイプ、魚介類などを輸出し、自動車・同部品などを輸入している。
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