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(B)海運事情と保有船主の実態
 リビアの石油生産の歴史は比較的新しく、1958年の原油発見にはじまる。
 59年に、米国系エッソ石油会社により、商業ベースにのる油田としてゼルテン油田が発見され、61年10月に同じエッソの手によって石油輸出が開始されている。
 60年代は、外国石油会社に積極的に利権が与えられたこともあって、石油の生産や輸出のための海上輸送は、米国をはじめとする外資系石油会社と外国海運会社によって行われていた。
 70年になり、初めてリビアは自国籍の船舶を保有するに至った。
 その後、石油の開発、生産、輸出の急速な活発化に伴って、自国海運の確立、船舶の増強に力を注ぐようになった。
 しかし、最近は石油の生産、輸出は減少傾向にあり、タンカーは現在の船腹量で自国船積取比率40%を維持するに十分とされ、積極的な船舶増強はなされていない。
 一般貨物船については、自国船積取比率が約10%といわれており、需要はかなりあるものと推定されるが、現在、政府としての船腹拡充計画は発表されていない。
 現在、リビアの主な海運会社の概要は、次の通りである。

 同社は、1970年にリビアで最初に設立された国営海運会社である。
 輸送面では、主として自国の原油および石油製品の輸送に従事しているが、最近は乾貨物、旅客の輸送にも力を入れている。

 

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