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 リビアの貿易は、89年から96年でみると毎年黒字を記録している。
 リビアの国家経済は原油輸出に大きく依存しているが、石油産業を除いては未だ見るべき輸出産業が発達していないため、輸出総額の100%近く(97年推定97.2%)が、原油・石油製品および天然ガス(LNG、LPGを含む)となっている。
 積極的な経済開発を推進してきたため、開発に必要な資材の輸入も増加しているが、莫大な石油収入がこれを十分にカバーし、貿易収支は大きな黒字となっている。
 96年の輸出による輸入のカバー率は約2倍となっている。
 このような貿易構造は、今後、当分の間は基本的に変化しないと思われる。
 しかし、リビアにとって重大な問題は、世界的な石油需要緩和と高価格政策のため、リビアの産油量・輸出量は共に最近著しく減少傾向にあることである。
 このため、政府は輸出面では資源保存政策上、原油依存の輸出から脱却するため、付加価値の高い石油製品および石油化学製品の輸出拡大に努めている。
 リビアの外貨事情は石油収入の好・不調に大きく支配され、外貨準備高は80年に120億ドルの高水準を示したが、リビア原油の生産・輸出量の激減に伴い、外貨事情は悪化し、92年には61.8億ドルと半減している。
 リビアの貿易相手国は、96年の輸出総額の41%がイタリア、18%はドイツ、10%はスペインヘの輸出である。
 一方、輸入総額の21.7%がイタリア、13.6%はドイツ、8.3%は英国からの輸入で占められている。
 リビアの主要輸出品は、その殆どを占める原油・石油製品および天然ガス(LNG、LPGなどを含む)のほかには、化学品、食料品などがある。
 輸入では、最大のシェアを占めているのが機械・輸送機器で、次いで食料品、動物、化学品となっている。
 対日貿易では、恒常的な赤字貿易であり乗用車、トラック、鉄鋼一次製品などを輸入している。

 

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