ギニアの貿易関係では、1996年の輸出は6億9,600万ドル、輸入は7億1,350万ドルで、赤字幅は前年に比べ大きく縮小し、1億7,500万ドルとなっている。
同国は、恒常的な貿易赤字国である。
ギニアの主要輸出商品は、ボーキサイト、アルミナ、ダイヤモンド、金などの鉱産物であり、主要輸入商品は食料、半製品、石油・石油製品および消費財などである。
ギニアの主要貿易相手国は、輸出ではベルギー、米国、アイルランド、スペイン、輸入ではフランス、コートジボアール、米国、ベルギーなどである。
1996年における輸出総額の43.4%はボーキサイト、16.5%はアルミナ、13.3%は金、6.4%はダイヤモンドで、これら鉱産物関係で輸出総額の約80%を占めている。
ギニア経済は、国際価格の変動による影響を受け易いボーキサイト、アルミナ、ダイヤモンドなど鉱産物への依存度が極めて高いため、経済発展の障害となっている。
また、1990年以来、引続きリベリア、シェラ・レオーネからの多数の避難民の流入も、ギニア経済にとって重い負担となっている。
ギニアの対外債務残高は、1991年末の21億2,300万ドルから、1996年末の32億7,700万ドルに大きく増加している。
ギニアは、全世界埋蔵量の約25%のボーキサイト、その他貴重な鉱物資源に恵まれており、豊富な外貨獲得の可能性が極めて高いが、前政権下では社会主義的諸政策のため、国内経済は停滞していた。
現政権では、従来の社会主義路線から、自由主義、民主主義体制への移行を推進している。
先に実施した経済財政3カ年計画(1991年7月〜94年6月)は、(1)1994年度までに年間インフレ率を8%に低下させること、(2)経常収支の赤字幅を国内総生産(GDP)の4.2%に縮小させること、(3)計画の最終年度末までの平均年間GDPの成長率を最低で実質5%に高めること等を主要目標としたものであったが、94年度の実績では、ほぼ目的を達成したようである。
このほか、ギニア経済の基本である農業部門の振興を図るため、農産品、特に米などの穀物の自給自足体制の実現を目指して努力している。