(3)造船事情
アルジェリアの造船業は独立後の74年5月、オラン市郊外のMess-l-Kebirに国防省傘下の造船公社
(Office National de Chantier Naval - ONCN)が設立されたことに始まる。
このONCNの事業は、当初から主として造船技術者の養成であるが、現在に至るまで小規模な造船も行っている。
造船活動としては、74年11月に30トンのトロール漁船1隻をはじめて建造したが、その後は小型エビ漁船、モーターボート
など数隻を建造したに過ぎない。
83年3月海運漁業庁の傘下に国営造船公団(Enterprise Nationale de Construction Navales-ENCONAV)が設立されたが、そ
の業務は船舶修理が主体であり、新造は100G/T未満の小型船に限られている。
また、アルジェリアには87年4月にCNANから独立した国営船舶修繕公団(Enterprise Nationale Reparation Navale-ENRENAV)
があり、長さ20m以上の船舶の修理を目的としている。
本社はアルジェにあり、修理ドックはアルジェ、ベジァイア・オランの諸港にある。
このうち、アルジェにあるENRENAV社所有の修繕設備は次の通りである。

なお、国有の船舶修理施設としては、アルジェ港内にドライ・ドック(最大能力4,000トン)2基、スリップ・ウェー4基、小型船用
浮ドック1基、フローティング・クレーン2基(120トン、150トン)などのほか、アンナバ、ベジァイア、ベニサワ、カザウエ、オラン
の各港に小規模の修繕設備がある。