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5.軟体動物

 富山県沿岸域に生息する代表的な軟体動物には、スルメイカ・ホタルイカ・エゾアワビ・サザエなどがいる。

スルメイカ: 外套膜は筋肉質で円筒形を呈し、鰭の長さは外套長の30%程度である。背中線上に幅広い黒色の色素帯があるのが特徴であり、体長は30cmを超え日本列島周辺に分布する。生まれた時期毎に群れのあることが知られており、日本海においてその資源量が最も多いのは秋生まれ群である。

ホタルイカ: 富山県では、ホタルイカの郡遊海面が国指定特別天然記念物として有名である。体形はスルメイカと同似し、体長は40〜70mm、体の表面に発光器が付いているのが特徴である。産卵期の初夏(夜間)には、水深30〜100m位まで浮上し神秘的な光を放ちながら郡遊する。

エゾアワビ: 栽培漁業の対象種として種苗生産と放流が行われている。沿岸の岩礁地帯水深10m近辺に広く分布し、刺網及び潜水漁業にて漁獲されている。

サ ザ エ: 水深10m位までの岩礁地帯に生息する。外海の荒い海に生息するものは束束が2列で長くなり、内海の静かな場所に生息するものは束束が1列で短く、または無束束となる。束刺よ岩場から落ちないように滑り止めの役割を持つ。
産卵期は6月〜7月にかけ、寒天質の緑色の卵を産む。日中は岩の割れ目などに潜み、夜間活動してワカメ・ホンダワラなどの海藻類を食べる。