日本財団 図書館


4. 魚類

 富山県沿岸域は、魚介類の宝庫であり、多数種の魚介類が生息している。

マ ダ ラ: 冷水性の魚で、分布範囲は北太平洋及びその近接水域で日本海全域におよぶ。魚体の特徴は上顎、ひげとも長く、体色は背部が灰褐色で、下側がうすく、腹部は白い。産卵期は1〜3月で、産卵盛期は1〜2月である。

ブ   リ: 成長とともに呼称が変わる出世魚であり、地方によりいろいろな呼称がある。生息域は幼魚期には5〜50皿、成魚期には60〜120m水域の海域であり、適水温は13〜18℃である。

マ ア ジ: 最盛期は見受けられずほぼ周年にわたって漁獲されており、最近漁獲量が増加している。寿命は6〜7歳であり・魚体の大きさは約40?程度まで成長する。

マ ダ イ: 3〜4年で成魚になる。毎年春に産卵のため沿岸に近づくが、この時の体色はピンク色で美しくサクラダイと呼ぱれることもある。各県の栽培漁業センター等で数万から数百万尾単位で稚魚が生産され、放流及ぴ養殖用に出荷されている。

ス ズ キ: セイゴ、フッコ、スズキと成長するにつれて、呼称が変わるので出世魚とされている。海水魚ではあるが、春〜夏に河口近くにより若魚は河川内にも遡上し、秋〜冬に深所にもどる特性がある・

ヒ ラ メ: 体は側扁した長楕円形でカレイ類よりは細長く、左側に眼がよっている。日本・朝鮮の沿岸に広く分布し、海底の砂地に潜って環境に応じ体色を変化する事ができる。

クロマグロ: マグロ類中もっとも大型となり、体長仙、体重500kgに達し寿命は20年を超える。大回遊を行い、両県では大型定置網を主体に漁獲されている。

トビウオ : トビウオ類は、表層性の回遊魚で空中をグライダーのように飛ぶ魚として知られており、海面からいきおいよく飛出し胸鰭を広げて翼として時には数100mも滑空する。盛漁期は6〜7月であり、産卵群を対象としている。

マ ゴ チ: 沿岸部の2〜50mの砂泥底に生息する。冬は砂底に潜り込み、7〜8月にかけて浅い海底の石の間に卵を産む。春、冬眠から目覚め、浅場に移動する。頭の上まで砂をかぶり、眼だけを出して餌の小動物が近づくと砂を蹴って猛然と襲いかかり大口をあけて呑み込む。

カ ツ オ: 全国的にカツオといえばこの種であり、魚体の特性とし体は紡鐘形で尾柄部は細く、腹部に4本の暗色の縦縞がある。生時は不明。漁期は夏から秋にかけて行い、主に定置網で漁獲される。

ボ   ラ: 生息域は淡・かん水域及び外洋で、稚魚は淡・かん水域で成育する。産卵期は10月〜1月にわたり、分布範囲は温帯及び北海道以南の日本海におよぶ。

コノシロ : 内湾性の魚で15m以下の浅い海の中層に生息し、体長は最大26?程度である。体長10?位のものを通常『コハダ』という。警戒心が非常に強く、暗くなると海藻の繁茂する浅場に寄ってくる。産卵期は4〜6月で、おもに内湾で生活し、小型プランクトンを捕食する。

サ   ケ: 内湾に多く5〜50mの浅海の砂泥底に生息する。河川で生まれた稚魚は海に下り、北洋で3〜4年くらし大きなものは1mほどに育って産卵のために1万?以上の旅をしながら再び生まれた河川に帰ってくる。(母川回帰清)

サクラマス: 桜の花見の頃河川へ遡上し、秋の産卵期には桃色の婚姻色を呈する。雌の大部分は降海し全長60cmに成長するが、雄は主に河川にとどまりヤマメと呼ばれて大きさも20cm前後と小さい。

ニ シ ン: 冷水性の表層回遊魚で、水深15m以浅の岩盤または砂地で、海藻の繁茂したところで産卵する。漁獲時期によって春ニシン、夏ニシン、冬ニシンなどの呼称がある。

ノロゲンゲ: 深水性であり、水深約200〜600mの海底に生息し小型機船底びき網によって漁獲されている。体は寒天質で柔らかく、細長く側扁し背鰭と尾鰭は尾鰭とつながっている。体長は約30cm程度の大きさである。






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION