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1.2情報マップ作成に関する情報収集

1.2.1汀線形態などに関する情報収集

 油除去作業の難易度を左右する汀線形態に関する情報を収集するとともに、河川・運河、干潟、湿地、マングローブ、浅瀬、藻場及びサンゴ礁の各項目をセン シティビティ指標として選び、所要の情報収集を行った。

(1)汀線形態に関する情報

 平成5年度に実施した基礎調査では、我が国沿岸域における汀線の流出油被害に対する感受性(脆弱性)については、原則、8段階に分類することと している。
 本調査においても、富山湾及び能登半島沿岸域を主として開放性沿岸域と位置付けた上で、同基礎調査結果に従い、汀線形態を8段階(ES11:開放性人工護岸・岩浜、ES12:開放性波食性台地、ES13:細・中粒子の砂浜、ES14:粗粒子の砂浜、ES15:砂と砂礫の浜、ES16A:石浜、ES16B:消波護岸、ES17:閉鎖性人工護岸)に分類している。
 流出油による被害に対する汀線の脆弱性は、この分類に従い、数字が大きくなるほど順次高まってゆくこととなる。
 汀線に関する情報の入手に当たっては、航海用海図及び既存の航空写真等を用いたほか、周到な現地調査を実施した。また、関連情報として、各市町村別及び所管する官庁別の海岸線の長さ、並びに海岸管理者の連絡先を入手した。

(2)河川・運河に関する情報

 富山県及び石川県沿岸域に存在する一級河川、二級河川及び運河の名称、管理者の連絡先、流況等に関する情報を入手した。

(3)干潟に関する情報

 富山・石川両県の沿岸域とも、干潟の存在は確認できなかった。

(4)湿地に関する情報

 黒部川左岸河川敷(黒部市荒俣)及び常願寺川河川敷(富山市横越)に存在する塩沼植生帯を、表示範囲内における唯一の湿地とし、専門家の連絡先等の情報を収集した。

(5)マングローブに関する情報
 富山・石川両県の沿岸域における、マングローブの生育に関する情報は得られなかった。

(6)浅瀬に関する情報

 生態学的な価値が認められる浅海域の水底環境は、流出油による影響を受けやすい指標の一つとして挙げられる。
 富山・石川両県の沿岸域における、潮下帯生息環境に関する情報を入手した。

(7)藻場に関する情報

 富山・石川両県の沿岸域において、特に大型の海藻類の群落帯であり生態学的な価値が認められるエリアを藻場としてとらえるとともに、その種類、特徴、専門家の連絡先等の情報を入手した。

(8)サンゴ礁に関する情報

 富山・石川両県の沿岸域における、サンゴの生息に関する情報を入手した。
 1.2.2生物相及び生物資源生産に関する情報収集生物相及び生物資源生産に関連したセンシティビティ指標として、塩性群落、哺乳類、野鳥、魚類、軟体動物、甲殻類、ウミガメ類及び真珠養殖の各項目を選び、所要の情報収集を行った。

(1)塩性群落に関する情報

 主として石川県沿岸域に存在する塩性群落等について、その種類、面積等の情報を入手した。

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