? 動物プランクトン(種別個体数等)
動物プランクトンでは、エビやカニの浮遊幼生も含め主要な構成群である甲殻類と、全動物プランクトンで検討した。
その結果、甲殻類は、多孔質炭素電極の付着・吸着効果でほとんどが除去され、電極を通過する比較的小型の種類は、約2秒の電位印加でほとんどが損傷を受けると考えられた。
なお、動物プランクトン(種別個体数等)の分析結果は、巻末の資料;1.6、同変化集計表は、資料;1.7に収録した。
a 甲殻類
図?.2−8(1),(2)には、鹿島港海水の甲殻類の変化、図?.2−8(3),(4)には、大阪南港海水の甲殻類の変化を示した。
鹿島港海水の結果は、次のようにまとめられる。
出現個体数が最大で18個体/Lと少なく、正確な評価が難しい結果であった。 そのデータ的制約の中でも、処理直後では電位印加の有無にかかわらず全ての電解槽内滞留時間で個体数が減少していること、および滞留時間90秒の1日後では電解槽を通過させただけで全く出現しなくなることから、多くの個体が多孔質炭素電極に付着・吸着することは明らかである。 なお、電位印加による効果は、不明瞭である。
大阪南港の結果は次のようにまとめられる。
電解槽内滞留時間および電位印加の有無に関係なく、電解槽を通すとほとんどの個体は出現しなくなり、付着・吸着していた。
電位印加の効果は、電解槽を通すだけでほとんど出現しないため、不明である。
以上、甲殻類に対しては、多孔質炭素電極の付着・吸着効果が大勢であった。
その理由は、甲殻類には多孔質炭素電極の開孔径100μmよりも大きい種類が多いためと考えられる。

図?.2−8(1) 甲殻類の変化(鹿島港,処理直後)