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(b) 全植物プランクトン

 図?.2−7(1),(2)には、鹿島港海水の全植物プランクトンの変化、図?2−7(3),(4)には、大阪南港海水の全植物プランクトンの変化を示した。
 鹿島港海水の結果は、次のようにまとめられる。
 細胞数の減少および電位印加による損傷状況は、基本的に有殻渦鞭毛藻と同様である。 ただし、有殻渦鞭毛藻よりも多孔質炭素電極を通過し易く(小型)、また、印加による損傷を受けにくいと考えられる細胞(主に珪藻)が多く存在するため、有殻渦鞭毛藻では有効な滞留時間であった約10秒でも50%強の損傷率にとどまっている。
 大阪南港海水の結果は、次のようにまとめられる。
 大阪南港海水においても、細胞の減少および電位印加による損傷状況は、基本的に有殻渦鞭毛と同じである。 しかし、鹿島港海水と異なり、印加による損傷は、むしろ有殻渦鞭毛藻よりも強く表れ、滞留時間2秒の処理後1日からほぼ100%となる。 この理由は、有殻渦鞭毛藻以外の主要な構成プランクトンが、鹿島港において印加に強いと考えられた珪藻ではなく、ミドリムシ藻や微細鞭毛藻等の無殻の鞭毛藻類であったためで、これら種類が印加によって比較的大きな損傷を受けることを示している。

 

図?.2−7(1)  全植物プランクトンの変化(鹿島港,処理直後)

 

 

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