2.30 議長は、文書MEPC 42/2/4の審議に先立って、以下の点を指摘した。
.1 MEPC 42/2/4に関し、MEPC及びMSCに対し、SOLAS条約の改正検討を要請していること。
.2 旗国自己評価様式は、いくつかのMARPOL要件を提供しているので、SOLAS改正の検討事項ではないこと。
.3 これにかかわらず、FSI小委員会に対するSOLAS改正の指示は、MEPCの委託事項ではないこと。
.4 様々な条約に基づくに旗国責任を満足している旗国問題、また、合意基準に対する責任のチェック方式は、単に、SOLAS・MARPOLの改正、おそらく満載喫水線条約改正で済むものではなく、はるかに広範囲な政策事項であること。
.5 本件については、慎重な高レベルの検討を必要とする事項の、まさに戸口に立ったところであること。
.6 本件は、FSIにおいて、しばらくの間議論されてはいるものの、MEPCにおいては最初の実質的検討となること。
2.31 議長は、本件を議論した上、議論の要約を以下の点にまとめた。
.1 FSIが作成した自己評価様式については、重大な環境汚染事故の引用を含んだ上で、いくつかの編集上の修正を加えることを条件に承認可能という、当委員会の一般的コンセンサスがある。
当該様式と技術協力の間の連携が模索された。
.2 いくつかの代表団が、当該様式をいかに使用すべきかについて懸念を表明した。すなわちどのようなメリットがあるのか?
.3 英国及び他の各国グループによるMEPC42/2/4に概説された提案は、多数の国から支持された。
しかしながら、それらの国々は、FSI小委員会による本件促進を可能とするために与えられるべき、いくつかの明確な指示の必要性を確信していた。
.4 一般論として、MEPC 42/2/4を支持した国々の発言において、IMO関連条約の非遵守は容認できず、何らかの監視手段が重要であるとの指摘があった一方で、SOLAS改正の検討は時期尚早であるとの懸念を表明した国もいくつかあった。
他の国々が、SOLAS改正への制限は不適切という懸念を表明した一方で、SOLAS改正を勧告することは、MEPCの委託事項の範囲外であることを指摘した国々もあった。
.5 他の多くの国々は、自己評価様式の使用状況を確かめることを熱望する一方で、他の国々によって旗国パーフォーマンスを評価するための手法がどのように表現されているかに関心を寄せていた。
このことはIMOにとって、新たなアプローチであり、それゆえに、慎重な検討の要求についても、非常に敏感な事項となることが想像される。
.6 若干の国々は、このアプローチが、加盟国の主権及び海事主官庁への侵害となることに懸念を持っている。
当該国々は、さらなる時間が必要であることを指摘し、また、ISMコードの発効結果の十分な解析を待つべきという一つの指摘もあった。
.7 英国は、討論の終局時に、MEPC
42/2/4に関して、加盟国主権又は海事主官庁の役割実施方策の妨害を意図するものではないことを陳述した。
英国は、意図するところは、結果に関すること、すなわち、条約要件を十分に実施することにあり、実施の達成についての詳細な方法にはないことに言及した。
英国は、他の当該文章起草国を代表して、FSI小委員会に与えるべき、この問題をいかに前進させるかにについての指針を、主体的に模索し続けている。
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