4.5 実験結果及び考察
以下に実験結果を示す。なお、実験結果は、特にことわりがない限り実機スケールで示している。また波浪中動揺試験結果は、規則波は波高0.5m、不規則波は有義波高0.5mでの値を表した。
4.5.1 自由横揺試験結果
各浮体のRoll固有周期、減衰係数などの特性を調べるため、自由横揺試験を行った。得られた減衰角曲線及び減滅曲線の例を図4.8に示す。減滅曲線より得られる減滅係数として、フルードの表現によるa、b係数と、揺れ角5°におけるベルタンの表現のN係数を求めた。各浮体の減滅係数を、Roll固有周期とともに表4.3にまとめて示す。
水線幅変更タイプのひとつであるSLO-ROLタンク付加タイプ非作動時(TYPE-B0-W2-SLR11)の減滅係数は基本タイプ(TYPE-B0)とほとんど変わらない。SLO-ROLタンク付加タイプ作動時(TYPE-B0-W2-SLR12)の減滅係数も基本タイプほとんど変わらないため、SLO-ROLタンク付加タイプは減衰力を増やす効果は小さいといえる。
一方、張出部が水平フィン状のもの(TYPE-B0-W2)では、基本タイプに比べて減滅係数は大きい。減揺タンク上載タイプ作動時(TYPE-B0-ART92)及びTMD制振装置付加タイプ作動時(TYPE-B0-W2-TMD)も減滅係数を大きくする効果があるため、減滅係数が大きくなる。
水深4mの場合は 10mに比べて減滅係数が大きくなり、水深影響が見られる。