このような現状をみると、日本太鼓の愛好者の輪を広げていくためには、如何に組織の存在が重要であるかがわかる。一方、設立年別の登録団体件数をみると、昭和63年を契機にその件数が大幅に増えている。これは、地方自治体に対し政府奨励による地域活性化を目的として「ふるさと創生1億円事業(昭和63年度〜平成元年度)」が行われ、その結果として全国各地に多くの太鼓チームが結成されたものと考えられる。
財団法人日本太鼓連盟は、「日本太鼓の伝統伝承並びに普及・振興を図り、我が国文化の発展に寄与する」ことを目的に平成9年11月11日に文部大臣の許可を得て設立された。「愛好者あっての日本太鼓」を基本理念に、関係団体の協力を得て積極的に各種事業を展開しており、今日では年度ごとに愛好者(加盟国体数)が増えるなど、着実に成果を挙げてきている。
(注)平成11年3月31日現在で当財団に加盟している団体数は720である。この中には地方自治体に登録済みの団体も含まれている。
(3)本調査によると、太鼓と学校の関わりについては小学校、中学校、高等学校の授業や部活においていずれも太鼓を使用する割合は低い。当財団では平成10年度から太鼓界の次世代を担う青少年による「日本太鼓ジュニアコンクール」を開催している。第1回は全国から選抜された34団体(出場者380名)が出場し行われた。特に出場者にはコンクールの演奏技術だけにこだわるのではなく、礼節や他人に対する思いやり、さらに感謝の気持ちや挨拶励行等の重要性を強調している。
2002年度には、学校完全週5日制が実現し「学校・家庭・地域」のそれぞれの協力体制で子供の受け皿を用意する必要が生じてくる。すなわち子供たちの健全な学校外活動の在り方が求められる。一方、文部省・学習指導要領が改正され、その中で伝統音楽の重視が打ち出された。中学生音楽では「和楽器の学習」を新たに設け、3年間のうちに1種類以上の和楽器を学ぶように勧めている。当財団としては、今後、学校教育と日本太鼓の関わりがますます強まることを見据え、今から指導員としての資格を有する公認指導員192名(平成11年3月31日現在)の技量の向上と新たに指導員の育成、増員を図っていく考えである。併せて、日本太鼓の全国フェスティバル、ジュニアコンクール、全国障害者大会、チャリティコンサートをはじめとする広い範囲での数多くの演奏会並びに日本太鼓指導者の育成と技術の向上を図るための全国講習会、更には、海外から「日本の心」を伝えるものとして高く評価されている海外公演等国内のみならず国際的にも普及・発展させるべく諸事業を積極的に展開していく必要がある。また、29加盟支部、720加盟団体そして総数20,000名を超える会員の協力を得て、日本太鼓と地域(市区町村)との関わりをより一層高めていきたい。