4.2)固有値解析
インペラーのキャンベル線図を、図2.1.3-16に示す。回転の1次〜5次は定格回転付近で共振しないことがわかる。軸流圧縮機最終段出口静翼のウエークに対応する回転27次(新潟鉄工案静翼枚数)、33次(KHI案静翼枚数)については高次であるため問題ないと考えられる。
このような検討をおこなった後、試作したインペラー外観を図2.1.3-17に示す。
5)遠心圧縮機の要素試験(装置)の設計・製作
遠心圧縮機単体性能を把握するため要素試験装置を設計・製作した。圧縮機入口状態を実機に模擬するため、インペラー上流に角度可変翼を設けた。
5.1)軸系の危険速度検討
軸系の危険速度線図を図2.1.3-18に示す。運転範囲は、軸受モード(1st〜3rd)の固有振動数と、軸の曲げモード(free-free)の固有振動数の間にある。軸の曲げモードの固有振動数と、定格回転とは十分離れており、軸の曲げ剛性に問題はないが、振動を監視しながら要素試験をおこなう予定である。
5.2)ケーシングの強度解析
段出口コレクターについて、軸対称性があるため全周の1/6のセグメントについて強度解析をおこなった。その結果を図2.1.3-19に示す。十分低い応力レベルにあり問題ないと考えられる。
このようにして設計した試験装置の断面図を図2.1.3-20に、その外観を図2.1.3-21に示す。平成11年度はこの試験装置により、要素試験を実施する予定である。計測項目と位置を図2.1.3-22に示す。