●あらすじ
「お聞きしたいんです。映画を作るって…そんなに凄いことなんですか?」
スター女優を執拗に追いつめる1人の刑事と、その逮捕劇の一部始終をドキュメントとして撮影しようともくろむTVディレクター。彼女がその過去に犯した罪とはいったい何か?高層ホテル最上階のスイートルームを舞台に、時効成立寸前の事件をめぐって虚々実々の駆け引きと、しみじみしたギャグが展開する。この冬、M.O.P.が挑む本格ミステリーコメディー。
作・演出 マキノ ノゾミ
大学在学中より劇作家つかこうへい氏に深く傾倒し、演劇活動を開始。1984年3月、大学卒業を機に劇団M.O.P.を旗揚げ。1989年より本格的な劇作を開始、以後精力的に作家兼演出家として作品を発表、現在に至る。小劇場、商業演劇、新劇というジャンルを軽々と超え、映画や歴史に題材を求めた作風を得意とし時代劇から家庭劇までヒューマニティーあふれる独特の視点で多彩な作品を作り続けている。マキノ氏いわく、「問題はジャンルではなく、どう人間を描くか」であり、その描き方は生き方が美しいかどうかの問いかけから始まる。
1994年頃より外部への脚本執筆・演出なども頻繁に行うようになり、1994年「欽ちゃんのシネマジャック」で短編映画の「蛍の光」(主演:宮沢りえ、渡哲也)の脚本を手がけた他、1997年には新作4本を執筆、中でも「東京原子核クラブ」「MOTHER〜君わらひたまふことなかれ〜」は高い評価を受ける。
1998年は、初めてのひとり芝居の執筆・演出、劇団公演、その他外部脚本執筆等の活動を行った。
劇団M.O.P.
つかこうへい作品を中心に、今回新しくプロジェクトを組織し、公演を重ねる。1989年6月、マキノノゾミ初のオリジナル作品「HAPPY MAN」を発表、その後「HAPPY MAN」シリーズを中心に上演活動を行う。その後の新作はM.O.P.版「俺たちに明日はない」と呼ばれるにふさわしい「ピスケン」(91年)、西部劇「エンジェルアイズ」(92年)、映画「狼たちの午後」を下敷きにした「オールディーズ・バット・ゴールディーズ」(93年)、対立するヤクザが野球で決着をつけようとする「夏のランナー」(94年)、娯楽大作「1896 上海大冒険」(95年)、宮本研の名作に真正面から取り組んだ「美しきものの伝説」(95年)、そして今回の「最初の嘘と最後の秘密」のもととなっている「ラヴィアンローズ・スイート」(95年)等。96年には「青猫物語」で北海道に初上陸、その後も「KANOKO」(97年)、「遠州の葬儀屋」(98年)と快進撃を続けている。
マキノノゾミ氏の語る「最初の嘘と最後の秘密」
実は、今回は3年前にやった「ラヴィアンローズ・スイート」というミステリーコメディーを再演する予定でした。これはなかなか面白い芝居だったのですが、再演の台本直しをするにあたって、始めは全体の二割ほど直せばいいと考えていたものが、考えているうちに三割五割となり、人に話す段階では見栄をはって八割となり、そのうちとうとう題名まで変わってしまいました。現段階では九十九パーセントまで書き直す予定なので、これはもはやまったくの新作といってもいいです。もともと新作を書く時間の余裕がないために再演という予定でいたのに、こんなことで大丈夫なのでしょうか?そんなことを私に聞かれても困りますか?そりゃ困りますよね。でも、私だって困っているのです。世の中ホントに困ることが多いですね。でも、「面白くて面白くて、もう面白すぎて困るわ」という芝居を作るためには、これも仕方がないことなのです。困った困った。