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(1) データ交換機能の基本要件

アダプターの基本要件は次の通りである。

1] 既存CADが持つ情報でPMを用いた検討に必要な情報は可能な限り伝達できること

2] PMを用いた検討によって新たに生成された情報で既存CADが受け取れる情報は、確実に伝達できること

3] データの受け手側に既存情報が存在する場合は、既存情報と伝達されたものとの整合性はできるだけ自動処理すること

4] データ交換の対象範囲(質と量)が指示可能であること

 

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図5.4-1 アダプターによるデータ交換のタイミング

 

(2) 船殻モデルデータの交換シナリオ

船殻CADとPM間のデータ交換のシナリオとして以下を想定していた。

(a) 既存CADで概略の基本構造が定義された後にPMへデータ転送

既存CADにおいて概略の基本構造を定義し、PMへデータを転送する。PM側の構造部材情報は基本的に白紙状態である。この段階で転送される基本構造情報は、縦強度部材(外板・デッキ・ロンジバルクヘッド・ロンジ部材)、横強度部材(トランスウェブ・トランスバルクヘッド・ガーダーなど)、典型的な2次部材(ウエブスティフナ・端部ブラケット)であり、これらを基にPM側で工法検討や初期生産設計を行いながら構造部材の設計を確定させていく。なお、このシナリオは各社のCAD機能に依存するのでこのケースがない場合もある。

(b) PM側で基本構造に対する構造部材情報を定義した後に既存CADへデータ転送

PM側で定義された基本構造情報を既存CAD側へ転送し、詳細構造情報を追加していく。ここでは船単位でのデータの転送が一般的と考えられるが、既存CAD側の詳細設計はブロック単位で設計されるものも多く、その場合はブロック単位でデータを転送することになる。また、既存CAD側の基本構造データが変更されている場合は、システムが自動的に整合性を取ることは困難であるので、整合性の維持はユーザーの責任で行うことになる。

 

 

 

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