4]組成の影響
またMn2O3・2ZrO2(Mn/Zr=1/1)の吸着試験結果よりNOガスとNO2ガスの吸着量に差はあまり生じなかったことから、NOxガス吸着を律速しているのはMnサイトで起こるNOからNO2への酸化反応ではなく、ZrサイトによるNO2の吸着反応ではないかと思われる。そこでZr量を5倍に増加したMnZrO(Mn/Zr=1/5)を調製し性能評価を行った。図4.2-24、25に示すようにZr量を増大させることで吸着量は若干増大したが、Zr量の増加分ほどは効果が見られなかった。これはMnを減らすことで比表面積が低下したためと考えられる。
また、図4.2-26に示すようにMnのかわりにNO酸化成分として耐硫黄性のあるPtを用いて検討を行った。Ptでは1wt%、5wt%ともにNO吸着能は低くなった。TEM分析の結果でも示したように、Pt/ZrO2ではZrO2の粒子径が増大していたことから、Ptを用いたことでZrO2の表面積が低下したためと考えられる。