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(3)100℃からの昇温吸着試験結果

 

図4.2-6〜10にCu(103)-ZSM5(23.3)、BaO3%)-ZSM-5, Mn2O3・2ZrO2

(20wt%) /ZSM-5, Ba-Cu-O 、およびMn2O3・2ZrO2(Mn:Zr=1:1 550℃焼成品)の100℃からの昇温吸着試験結果を示す。また、その他の吸着剤の試験結果もまとめて表4.2-4に示した。100℃一定での吸着試験結果と同様にCu-ZSM-5は水蒸気の存在しない条件ではNO吸着量は2.1〜2.5cm3/ cm3-cat.と非常に多いが、水蒸気の存在により大きく吸着が阻害を受けることがわかる。シリカアルミナ比を増大させて、疎水性を増しても同様に大きく阻害を受けた。また、ZrO2やBaO等のNO吸着成分をゼオライトに担持したものの吸着量はそれほど多くない。いずれも水の阻害を大きく受けた。

一方、Mn2O3・2ZrO2(Mn:Zr=1:1 550℃)は水蒸気存在下でも大量のNOxを吸着でき、ほとんど水蒸気の影響を受けないことが明らかとなった。

また、Ba-Cu-Oは吸着量は非常に大きく、水蒸気存在下でも比較的多量のNOxを吸着しうるが、500℃まで昇温してもNOを放出しなかった。これはBa-Cu-OがNOの直接分解活性を示すことに起因するかどうかは本実験では不明である。ただし、Ba-Cu-OはXRDから反応前後で状態が変化していること、また水蒸気存在下では構造が不安定であること、CO2の存在により吸着阻害を受けることが知られており、実用上は問題があると思われる。

 

 

 

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