図2.2-2は種々の船舶から排出される海上でのNOxの実測データを示したものである。IMOの規制値に沿って、横軸を機関の最大回転数、縦軸を25%、50%、75%、100%の各負荷でのNOx排出率(g/kWh)に、それぞれ0.15、0.15、0.5、0.2の重みをつけて表した数値(E3モード値)で表し、IMOの規制値を実践で示したものである。図をみて明らかな通りほとんどの船が規制値をクリアーしていないことがわかる。
また、実船において出入港時に排出されるNOx濃度の変化を実測した例を図2.2-3に示した。この例では尿素水-選択還元法による脱硝装置を搭載して試験を行っているが図を見てわかるとおり、現状では触媒が有効に作用する温度までは機能できていないため、出港時の排出量の低減のためには新たなシステムの開発が求められることがわかる。