"防災知識を高める趣旨に賛同して"
薬師丸ひろ子さんが、元旦からダッシュ。TBSテレビ系で放送した21世紀プロジェクト「故宮大長征・中国皇帝の秘宝一〇〇〇〇キロの旅」のリポーターとして、半年かけて中国一万キロを踏破した。一九三一年、満州事変が勃発し、中国清朝の皇帝が収集した膨大な宝物が戦火を避けて北京を脱出した。世にいう「故宮南遷」である。薬師丸さんは、この宝物のたどった一万キロを追跡した。「去年は中国にどっぷりとつかりました。旅は大好き。とてもいい旅でした。中国語の勉強もしました」
薬師丸さんはニニ歳の時、映画「野性の証明」でデビュー。その愛くるしさからたちまち超売れっ子アイドルになった。「翔んだカップル」「ねらわれた学園」「セーラー服と機関銃」など次々と映画に出演した。
ところで、これがテレビドラマとなるとすっかりご無沙汰。平成八年、「ミセス・シンデレラ」(フジテレビ系)で、なんと二〇年ぶりにドラマに出演した。不倫願望を持つ主婦のシンデレラストーリーだった。「テレビは初めてと言っていいほど。毎日、ドキドキ、ワクワクしながらやりました」。続いて「熱の島で」(NHK)に出演した。
今、薬師丸さんが夢中なのがミュージカル。「雨に唄えば」に続き、昨年は「シュガー」の主役のショーガール、シュガー・ケイトに取り組んだ。「舞台をやるなら、やはりミュージカル」という彼女は、その資質から歌い踊り演じるミュージカルがお似合い。
原点に帰っての映画は、昨年公開の震災映画「マグニチュード」がある。「阪神大震災の教訓をふまえて、地震に対する防災知識を高める趣旨に賛同して出演しました」という。そして、セットで大地震を体験した。「小さい地震はなれっこになっていますが、大地震はこのセットでのものが初体験。物が倒れてくるし、この世のものと思えませんでした」
薬師丸さんはこのところ、新しいものに意欲的に挑戦、みごとに成果を上げている。今年もまた何かに挑み、ジャンルを広げていくことだろう。(インタビュー・編集部)