"ひとつのきっかけ"
「いろいろ辛いことがあって、この先きどうなるのかと思い悩んでいました。結局は別れてしまいました」。中田喜子さんが気になる発言。別れたというのは離婚である。「お姑さんが亡くなったのがひとつのきっかけ。すっぱりと離婚しました」。
TBSテレビ系「渡る世間は鬼ばかり」の新シリーズが一〇月一日からスタート。このドラマで中田さんは、岡倉家の三女文子を演じている。バリバリのキャリアウーマンを辞めて、脱サラした夫の亨(三田村邦彦)と自然食品の店を経営。仕事は順調だが悩みのタネは夫の浮気。夫の母親年子(河内桃子)はボケが進行しているというのがこれまでのストーリー。"渡る世間は鬼ばかり"は、平成四年、第一シリーズが始まった。岡倉家の五人の娘たち(長山監子、泉ピン子、中田喜子、野村真美、藤田朋子)の暮らしぶりを追いながら、それぞれの世代が抱えている問題や悩みを描き、何が本当の幸せかを問いかけてきた。今回は第四シリーズ。
「前シリーズでは、ボケが進むお姑さん相手にとても大変でした。ドラマを見て下さる方たちから"私にも経験がある""頑張って下さい"などというハガキが寄せられ、反響の大きさにびっくりしました」。姑は、わけが分からぬまま台所に立った。そして天ぷら油の火の消し忘れから火事を起こした。幸いボヤですんだが、周囲の人たちにはショックだった。
「ボケについては、いろいろな人から話を聞きました。知らない間に火を扱うこともよくあるそうですね。最も気をつけなくてはならないことです。このドラマに出て、老人問題についてずい分勉強しました」。
その姑が亡くなり、夫とは離婚した。文子は自然食品の店を女手ひとつで切り盛りする。
「夫の仕事仲間だった男性の出現、復縁を迫る夫など新たな展開があります。でもこれまでと違って明るい生活ができそうです」。そうは言っても突然、"鬼"が現われることは十分予想され、安心してはいられない。
(インタビュー・編集部)