ごあいさつ
本日、ここ日本武道館において第26回全日本空手道選手権大会がかくも盛大に開催されますことはまことに慶賀すべきことであり、空手道の奨励、発展のためにもその意義は極めて大きいものがあります。
空手道は、日本の伝統文化としての精神性と、また老若男女を問わず誰にでもできる近代スポーツとしての要素を兼ね備えた競技として、国内はもとより世界の隅々にまで広く普及し、今や空手道の世界組織である世界空手連盟(WKF)に加盟している国は160数ケ国を数えるに至っております。
これは、世界の人々が空手道を単に“武技”としてのみ捉えることなく、何よりも“礼節”と“人の和”を尊重し、究極の目的を“人格の形成”に置く空手道の次元の高い精神性に魅力を感じていることに他なりません。
今後ともますます空手道は発展し、国際大会等も盛んになり、そのレベルも高くなってまいります。
空手道の伝統国としての日本は、空手道の理念と技術を正しく伝承し、また世界の空手道の指標たるべく更に切磋琢磨して、指導国としての責務を果たしていかねばなりません。
これから活躍される若い諸君も、この伝統ある空手道に自信と誇りを持ち、礼節を重んじ、技術の向上と人格の陶冶に努め、国際人として広く社会に貢献していただきたいと思います。
本日出場の選手は、まさしく全国各地より選りすぐられた人格、技倆とも優秀な日本を代表する選手です。
ご来場の皆様には、これら選手の世界的にも高いレベルの至高の技を十分にご堪能いただき、選手に大きなご声援をお願いいたします。
また出場される選手諸君は、爽やかな競技態度と気迫に満ちた華麗な技を披露し、空手競技の模範を示していただきたいと思います。
おわりに、本大会の開催にあたりご協力を賜りました関係各位並びにご観戦の皆様に心からお礼申し上げますとともに、皆々様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ、私のごあいさつといたします。
貯団法人 全日本空手道連盟
会長 笹川 堯