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第5章 今後の課題

今回開発したシステムに対し、今後、以下の機能を追加・充実することにより、土砂災害危険予測システムの有効性が一層向上すると考えられます。

 

1. 広域運用機能の追加

豪雨時には本システムだけでも、土砂災害に対して的確な警戒避難活動が可能です。しかしながら、本システムを導入した周辺市町村等の観測雨量データの相互交換が可能となれば、当該市町村等周辺あるいは上流域の土砂災害危険の状況、降雨状況、強雨域の有無を把握できるとともに、雨域の移動方向、降雨継続時間などの予想が立てやすくなります。その結果、土砂災害危険予測の精度が一層向上し、さらに防災活動の迅速化が一段と促進されるものと期待されます。

このようなことから、以下の機能の追加が必要と考えられます。

(1) 広域にわたる複数の市町村等間における観測雨量データの相互交換と活用機能

(2) (1)の機能を担保するために必要となる複数システムの相互接続及び相互接続により形成された広域システムの運用管理を効果的に行うための機能

 

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図5.1 広域運用システム概念図

 

2. 補助機能の充実

以下の機能を充実させることにより、より実践的なシステムになると考えられます。

(1) 当該市町村等の雨量データや土砂災害発生データから、その市町村等の特性に適合した土砂災害危険予測方法を解析する機能

(2) インターネットで提供されている各種気象情報とリンクさせる機能

 

3. 地図表示機能の充実

今年度システムでは単純な地図表示機能しかありませんが、今後、地理情報システム(GIS)とリンクさせることにより、使い勝手が向上すると考えられます。

 

4. 情報共有機能の追加

LANなどの環境下での利用を想定した機能を追加することにより、関係課や関係機関との間で情報を共有できるようになります。このことにより、豪雨時の迅速な対応が促進されると考えられます。

 

 

 

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