第1章 防災まちづくりプラン策定支援システム開発の目的と内容
1.1 研究開発の目的
平成7年に発生した兵庫県南部地震は、近代都市を直撃した直下型地震であり、各地の防災対策のあり方に強い衝撃を与えました。
これを受けて全国の自治体では、防災関連事業の見直しが緊急に行われました。特に、「災害に強いまちづくり」への関心が急速に高まり、各地において「防災まちづくりプラン」の策定・検討が行われています。
この「防災まちづくりプラン」の策定・検討にあたっては、
1] 防災関連施設及び地形・地盤等の自然的条件(以下:防災関連施設等)の把握
2] 防災まちづくり課題の抽出
3] 課題解決のための防災対策の選定と効果・影響評価
が前提の作業として挙げられます。
従来、この作業の多くは手作業と経験的知識をもとに行われており、作業効率に問題を有していました。従って1]〜3]の作業を効率的に行う防災まちづくりプラン策定支援システムを開発することは、今後、各自治体で行われる防災まちづくりプランの策定において大きく貢献するものと考えられます。
本研究開発は昨年度に引き続くものであり、昨年度は1]の機能を持つシステムの開発を行っています。本年度は2]及び3]の作業を効率的に行うシステムを開発し、それを昨年度システムと統合することにより、総合的な「防災まちづくりプラン策定支援システム」の完成を目的としました。
1.2 調査の内容
本研究開発で検討するシステムは、パーソナルコンピュータ上で「防災まちづくりに関連する課題の抽出と対策の提起、及びこれらの効果・影響評価」の機能開発及び、総合的な「防災まちづくりプラン策定支援システム」の開発を目的としています。従って、研究開発にあたっては、この機能を満たす独自のアプリケーションソフト(システム)の設計と開発を中心に行っています。