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5]ネットワークの当面の目標

1) ネットワークの目標

里山・田園環境を守るための知恵を交流しよう。

里山・田園環境を保全・管理する技術や手法を交流しよう。

里山・田園環境の保全に取り組む仲間を応援しよう。

里山・田園環境の保全活動をこれから始める人々を増やし、支援しよう。

2) 目標の具体化(当面の活動)

里山・田園環境の保全に取り組む団体や個人は近年急速に増えている。雑木林(里山)や植林地の手入れだけでなく、米作りや市民農園、湿地やため池の保全、あるいは炭焼きやクラフトなどのほか、直接的な保全活動ではないが、子供たちや市民を対象とした自然観察や自然学習など、環境教育のフィールドとしても多様な取り組みが行われており、その活動内容は多彩である。しかし、これらの実践による成果は、活動が個別的、地域的であることもあって、それぞれのグループ内に蓄積されているか、個人的な経験の範囲にとどまっていることが多い。これらの取り組みの経験や成果が、ネットワークを通じて広く公表されれば、仲間やこれから始めようとする人達への、大きな激励となる。

(a) 情報の交換

各グループ団体ではニュースや機関紙、手引書、行事案内、報告書等多くの情報を発信している。また、最近ではメールやホームページなどのパソコンネットによる発信も急速に広がっている。しかし、必要な情報が必要な所に届けられるとはかぎらない。そこで第一段階として、まずネットワークに参加する団体において活動内容や実施計画など“いつ・どこで・だれが・何をやるか(やったか)”“その結果は?・皆に知らせたい事・成功失敗の経験”などを定期的に交換する。

(b) 体験の交流及び現地見学会

各グループの実践フィールドで体験交流を行うことによって、新しい手法やお互いの蓄積したノウハウを学んだり、なによりも仲間たちの考え方や、情報だけでは得られない貴重な体験的な収穫が期待できる。(団体、グループ間の交流)

(c) 共同研修の実施やシンポジウムの共同開催

一部の法人組織を除いて、各地で活動するグループはイベント事業の外は小人数による取り組みが基本となっている。したがって、技術的な向上や学者、研究者の協力、林業組合などの専門家の指導も得にくいものとなっている。そこで、ネットワークにより共通テーマによる共同研究や、学習会、研究会等の共同実施や専門家による共同研修、さらにネットワークによるシンポジウムの共同開催などが可能となる。

(d) 人材の養成及び派遣(支援活動)

現在、大阪自然環境保全協会(里山委員会)では「里山管理指導者の養成」講座を実施しており、毎年20〜30名の修了者がある。協会独自のフィールドでの活動だけでなく、それぞれの身近なフィールドでの活動を希望する人々も多い。これらの人達をネットワークを通じて受け入れたり、講座を利用して人材の養成を行うこともできる。また、新しくフィールドを確保して立ち上げる所にはネットワークによる支援活動も可能となる。

 

 

 

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