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福井新聞 8/13掲載

「あゆみの家」移転に理解を

福井市 観 篤子(62歳)

精神障害者の共同作業所「あゆみの家」の移転先が暗礁にのりあげている記事を読み驚きました。「あゆみの家」は十四年前に設立され、乾徳の家が手狭になり現在の花堂に移転し現在に至っています。

開設当初、私はこの仕事に携わり、家族会の方々をはじめ関係者との話し合い、場所さがし、地元の方々との懇談会、偏見を取り除くため精神科医の講演会を地元で何回も開いたことが昨日のように思われます。

作業所へ通所されている男性を、近所の方から「おむこさんに来てほしい」と相談を受けたこともありました。それにしても当初から現在まで何のトラブルもなかったのに、移転先予定地区の方々にご理解いただけないのはどうしてでしょうか。

人と人との関係がうまくできないことが大きな原因のこの病気は、人との関係でしか治せないといわれています。病院への隔離政策をとってきたわが国に対して、国連の人権擁護委員会から勧告を受け、国もようやく精神障害者の社会復帰対策として、地域の中で働く場所「共同作業所」を保健所単位につくるよう働きかけてきた経緯があります。

これからは高齢社会、そしてストレスの多い社会でもあります。いつ自分自身が痴ほうの障害を持ち、家族が「心の病」になるかわかりません。障害を持つ人たちとともにあたたかく過ごせる社会を築きましょう。

この際、福井保健所長とともに酒井市長も地区の方々とひざをまじえて話し合い、移転実現にこぎつけてほしいと願わずにはおれません。

 

福井新聞 8/19掲載

精神障害への偏見なくして

福井市 M・I(38歳)

「あゆみの家」の移転先予定の住民が、移転に反対しているという記事が出ていた。反対をしている人たちは、精神障害者に対する偏見が、本人や家族をはじめ、いかに多くの人を傷つけているのか気づいているだろうか。

私の兄は数ヵ月前から精神障害となり、現在入院中である。突然の知らせにとうてい信じがたく、二児の父親でもあり心優しい兄がどうして、と涙が止まらなかった。つらくて苦しい気持ちだった。

精神障害というと「何をするかわからない」という偏見がつきまとう。従って長期入院か、あるいは仕事にも就けず在宅で家族とともに不安な日々を過ごしていた。しかし、薬によって症状が軽くなり社会復帰も可能となってきた。そして、社会復帰には共同作業所などの中間施設の果たす役割がいかに大きいかを、私は本を通して知った。

今、「あゆみの家」の存在は、精神障害者とその家族にとってどんなに重要なものであるか、私には理解できる。中間施設に通う人は症状の良くなった方である。社会に復帰できるよう努力している人たちのことを、偏見の目で見ないでぜひとも理解してほしい。

 

福井新聞 8/21掲載

うわべでない真の福祉とは

福井市 大崎 百合子(46歳)

「あゆみの家法人化計画暗礁に」の記事を読み、強いショックを受けました。だが、酒井福井市長の福祉に対する深いご理解と、市有地を提供するという決断力だけが、唯一の救いでした。

私の友達は「あゆみの家」に携わるボランティアに参加しています。体、時間、協力を惜しまず、身を削りながら福祉活動に頑張っています。そして、会長自ら活動資金を得るため、講演やバザーなどもしていると聞き、深く感銘致しました。

生き方は個々さまざまではありますが、無償で身を削りながら福祉活動をしている人たちに、私自身、反省させられるとともに胸が熱くなる思いでいっぱいです。

精神障害者への偏見は、まだ大きいのです。めざましい経済発展とともに、忘れてきた心の豊かさ。大人社会、子供社会までにも及んできているストレス社会。だれにでもなるであろう心の病。希薄になりつつある人間、社会、地域愛。これらすべて社会問題ではないでしょうか。

前回きに社会復帰を望んでいる障害者の方々も、健全者と同じように生きる権利は平等にあるのではないでしょうか。差別がなく、うわべだけの福祉ではない、真の福祉とは何かと、社会全体が考えてみる必要がある時期にきているのではないでしょうか。

 

 

 

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