介護保険の施行まで1年余りとなり、各地域とも基盤整備が急務となっている。そのような中、98年10月には全国町村会から実施の延期を盛り込んだ要望書が提出されるなど一時後退の姿勢が懸念されたが、しかし社説欄を見る限りこれに同調する流れはないようである。98年になってからの社説には全国紙にも地方紙にも介護保険に対し後ろ向きな記述は見当たらない。地方紙の社説に目立つのは広域連合による取り組みへの期待である。今回検索した地方紙6紙のうち4紙までの98年の社説に広域連合への期待が述べられている。"広域で事業を行うことにはまた別の課題や問題点もあろうが要は市町村のやる気次第、介護保険に対し後ろ向きにならず良いスタートがきれるよう努力すべし"と市町村を叱喀激励する記事が目立つ。全国紙では朝日新聞、読売新聞、産経新聞がこの要望書に批判的な論旨を掲載している。もはや足踏みをしている時ではない。市町村はできる限りの方策を練って介護保険を機能させる努力をしてほしい。