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こを利用していたお年寄りの中には、協力会員との人間関係ができたことで集団に入れるような状態になり、卒業していった人もいるというし、機能が回復して、包丁を使えるようになった人もいるという。

「現段階ではサロン活動だけですが、今後は一対一の在宅介護サービスの一環として、たとえば話し相手の活動をする際にこのふれあいの家を使ってもらったり、休日や夜間でもニーズがあれば開放するなど、利用会員や協力会員はもちろん、高齢者介護福祉活動に関心のある方すべてに利用してもらえるスペースにしていきたいと思っています。とにかく、地域の中で役に立つグループになるためには、何をすべきかをじっくりと考えながら活動していきたいですね」と抱負を語る鎌滝さん。

在宅介護サービスという互助型のふれあいと宅老という事業型のふれあいを、会員の中でどう両立させていくかが課題だというが、この二つの活動を一つの団体で行うメリットが大きいことは想像に難くない。たとえば、介護をする家族にトラブルが発生したときの緊急時の受け入れ先にもなり得る。同グループではすでに、隣接するデイホームや病院などの施設と連携も取って活動をしているというが、在宅での生活を支えていくためには、今後はこのような複合的なサポートが必要となっていくことだろう。

在宅介護サービスを行うボランティアグループが運営する民間デイ(宅老)が、この地域をどんなふうに変えてくれるのか、その行方を温かく見守りたい。

 

 

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天気が良ければ外に出かけることも。この日は近くの梨園まで足を延ばした。お年寄りにとってもスタッフにとっても楽しいひととき。

 

 

1997年

12月 空家になっていた一軒家を事務所として無償で提供してくれる協力者が現れ、会の設立に向けて動き始める。

1998年

2月 さわやか福祉財団主催のリーダー研修会に参加。

3月 宅老・グループホームの全国大会に参加し、高齢者を預かるためのノウハウを勉強。

3月中旬 試験的に高齢者の預かりを開始。

4月1日 『ふれあいネットまつど』設立。

 

千葉県松戸市栗ケ沢に本拠地を置く『ふれあいネットまつど』は、心のふれあいを大切にした介護支援活動を通じて、お互いが助け合って暮らせる社会を実現することを目的に設立された会員互助の会。主な活動内容は、1]高齢者の話し相手、見守りや食事の介助などの軽介護を行う「ふれあい介護」、2]食事づくり、買い物、掃除、洗濯などの高齢者家庭の家事援助や病院、施設の通院などの送迎介助サービスを行う「ふれあいサービス」、3]地域福祉サービスの情報提供や公的機関との手続き代行などの福祉相談を行う「ふれあい相談」、4]宅老所サービスを行う「ふれあいサロン」の4つ。会員になるには、入会金1000円と会費(協力会員年額3000円、利用会員利用月額1000円・但し年額上限3000円)が必要。基本の活動時間は月〜土曜日の9時〜17時(延長や時間外は応相談)で、サービスに対する謝礼は1時間当たり800円(うち200円は事務手数料・交通費別)。活動費の精算はふれあいチケットによって行い、時間預託も選択できる。なお、ふれあいサロンの謝礼金は在宅サービスとは別で、1回ごとの現金で精算(昼食などの飲食代を含んで3000円)。協力会員への謝礼金は500円(1日)で、残金は事務所運営費。

連絡先 〒270-0022 千葉県松戸市栗ケ沢789-20 TEL/FAX047(388)3323

 

 

 

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