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第1分科会

 

産休明け保育の保健活動

 

司会者  大東眞理子(東大阪市・弥刀さつき保育園長)

提案者  大内清子(藤井寺市立第四保育所看護婦)

助言者  山上佳代子(大阪小児科医会理事)

 

提案要旨

 

産休明け保育の保健活動

 

大内清子(藤井寺市立第四保育所看護婦)

 

生後6〜8週間で入所させる母の不安は大きいと思います。母の手から離れた赤ちゃんの環境は大きく変わります。

小さいからわからないと思いがちですが、小さいから余計に全身で敏感に感じるので慣らし保育が必要だと思います。母体からもらってきた免疫で保護されている一方で感染に弱く症状がわかりにくく急変しやすいです。体温測定し哺乳力をチェックし便の性状や元気具合など健康観察を常に怠らないこと。また、家庭との連絡を密にしなければいけません。

クラスは月齢がまちまちの子どもを一度にお預りするため一番大切にしたいのが睡眠の保障です。充分睡眠がとれる場所の確保もしなければいけません。また、SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のための注意も怠らないことです。

出来れば母乳で育てたいので、母乳パックの利用をしてあげたいと思います。

予防注射、特にBCGと生ワクチンはできるだけ早く受けさせたいものです。

消極的な子育てではなく積極的に生後1ヵ月すぎると赤ちゃん体操をします。正常な反射を知って異常の早期発見に努めます。まずマッサージからはじめ、うつ伏せにして手のつっぱりを促し首のすわりをはやめます。(睡眠中はうつ伏せにしない。SIDS予防。)

常に快の状態にし、あやし遊びをしてあげ保育者はいつも明るく生き生き保育することが大切です。そして静かな落ち着いた環境の保障をしてあげましょう。人見知りする月齢に入所した子どもよりも順調に集団生活に慣れやすいようです。

生後2ヵ月から3ヵ月になれば目ざめと覚醒のリズムをはっきりつけ生活リズムをつけてあげます。哺乳は必ず抱いて飲ませてあげます。

母親の育児相談にのり不安を取り除いてあげ、子どもが可愛いという気持ちが育つように心がけます。

月齢が小さければ小さい程、おむつ交換時や赤ちゃん体操をする時など一対一のかかわりを大切にし小さな変化も見逃さず笑顔で保育します。情緒が育てば元気に発達してくれると思います。そのためには保育者がいつも健康でいたいと思います。

藤井寺市では公立保育所に一名ずつの看護婦が配属されています。毎月の看護婦会議の中で応急処置や赤ちゃんの反射発達、赤ちゃん体操などの資料を作り各保育所の職員会議で医療的な専門的知識を勉強する機会を毎月もっています。

嘱託医との連携をいつもとっておきます。

常に医学は進歩していますので、新しい情報を知って日々子どもたちのために努力したいと思っています。

 

 

 

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