4. トルコの観光開発計画
(1) 観光開発のガイドライン
1963年に開始された5カ年計画の中に、観光発展の為の指針が示された。
それらは、
1] 冬期、狩猟、スポーツ(会議、温泉等々の特色を持つ観光分野を奨励するインセンティブ施策を採るべきこと
2] 人材教育により、観光従事者の知識・技能を上げること
3] 観光インフラや基礎社会インフラの充実を図ること
4] 文化・自然・人文資源を効果的に保護し、観光事業や投資が自然景観や国土利用にあった形で行われること
5] 貸し切り飛行の推進が図られ、地方旅行社を拡充する事
6] 季節性の克服に向けた施策が採られるべきこと
7] 自然景観、文化遺産の保全に留意し、それらを観光用に利用できる施策を考えること
8] 観光施設の管理、運用が図られること
9] 国民が、健康で安全な状況で、休日観光に行けること
(2) 環境配慮へのガイドライン
持続可能な観光発展の概念が取り入れられ、この理念に沿ったプロジェクトが実施されている。
1] ATAK PROJECT(South West Coast Environmental Project)
観光の多様性推進と併せて、トルコでは国内全体の80%の宿泊能力が集まるエーゲ海、地中海沿岸の開発に焦点が当てられている。1989年、観光省はインフラ施設の不備(飲料水、下水処理設備、ゴミ処理)を解消するための、ATAKプロジェクトを開始した。25の地域が選出され、総合開発計画が作成され、フィージビリティ調査が実施された。現在、25地域の内10カ所で国内資源を活用したインフラ建設事業が地方公共団体の管理下で進められている。
The Blue Flag Campaign
この計画はFoundation for Environmental Education in Europe(FEEE)により1987年以来進められているもので、環境改善の為の3つの問題に取り組んでいる。
それらは、
・海水浴場に利用する水の水質
・環境学習と情報提供
・海岸と港設備の維持
である。
1994年の環境評価によれば、9つの港と12の海岸が基準値を達成し、評価を受けた。なお、黒海沿岸地域にもとの運動が広げられている。