日本財団 図書館


(3) 地中海沿岸地域

1] アンタルヤ

地中海沿岸で最も発展している海岸リゾート地で、遠くペルガモン王国のアックロス2世によって開かれた小都市である。近郊にベルゲ、アスペンドスで知られるギリシャ・ローマ遺跡があり、その観光基地となる町だ。またく高級リゾートホテル、レストランから民宿、ペンションまで観光施設の数、内容とも他の町を凌いで開発が進んでいる。周辺の海水浴場は、トルコの地中海岸で人気が高い。

2] アスペンドス

アンタルヤから東に39kmのローマ遺跡。古代にはパンフィリヤで最も重要な都市だったとされ、ほぼ完璧に保存されているローマ時代の劇場で有名である。アスペンドスにもアクロポリスの丘があり、そのすそ野には後のヘレニズム時代に建てられた町があった。アスペンドスにギリシャ人が移り住んだのは紀元前1000年頃のこととされている。土壌は肥沃で農耕に適し、更に郊外を流れるエルリメドン川を利用した交易を行う豊かな植民地としてこの地は栄えた。

3] ケコバ

アンタルヤの南西、バスでおよそ4時間の所にケコバ島がある。ここは、今からおよそ2千年前の地震で沈んだというシナメ、アペルロイ等の古代都市の水中遺跡がある。ケコバ島へはカシュ、またはシナメの町からボートがでている。大型や中型のクルーザーもあるが、遺跡の水深の関係であまり近づけないため、エンジンつきの小型ボートをチャーターしたほうが良い。海水は透明度が高く海の岸近くに見え隠れする遺跡は、引き潮の時間にははっきりと見える。ボートは遺跡のポイントを追いながら進み、山城を頂く本土側のシナメに到着する。港から民家やレストランが点在する急な坂道を上り詰めると城跡があり、そこから付近の景色が一望できピクニック気分も味わえる。岸壁の浮きドックをレストランに利用している所が何件かあり、小型のヨットが沢山係留されていて地方都市の小型のヨットハーバーの感がある。

一つ苦言を呈すれば、浮きドックレストランの様子である。調理場は観光客から見える。果物を調理した包丁をほんの少し拭いただけで、魚の調理に使う等、日本人の衛生観念から見ると首を傾げるような所がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION