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3.2 GBAS構成におけるシュードライトの位置付け

図3-4にGBASの構成を示す。

GPS及びシュードライトの送信信号は、GBAS Reference stationで観測され、観測データはGBAS Central ProcessorでGBAS補強情報処理(主に各GPS衛星及びシュードライトの擬似距離補正データの生成)された上でVHF Data Broadcast(VDB)送信局より航空機ユーザーに放送される。

ユーザーGPS(GBAS)受信機では、GBAS放送データの受信によりGPS擬似距離を補正し測位精度の向上を行うと共に、GPSの完全性(Integrity)判定を行い、精密進入における航法要件の達成を図る。

カテゴリーIレベルの精密進入には、GBASのVDB機能だけで航法要件を達成できるとされている。このため、ICAOにおいてはカテゴリーI精密進入までの国際技術標準案の審議承認が、1999年4月に実施される予定になっている。

しかし、カテゴリーII/IIIレベルの精密進入では図3-3に示すように、更に厳しい性能が要求されており、その性能を満足するためには、GBASのVDB機能に加えて、空港付近にGPS疑似衛星と言われるシュードライト(Pseudolite:Pseudo(疑似)とSatellite(衛星)を組み合わせた造語)を設置することが検討されている。このシュードライトの設置によって、高カテゴリー精密進入の航法要件達成が期待されている。

図3-4に示す様に、シュードライトはGPSと同様の信号形式で、空港からレンジング(擬似距離)信号をユーザー受信機に対し提供するものである。

シュードライトの基本概念は、着陸時に必須の垂直測位精度の向上であり、天空より到達するGPS擬似距離に、地上からのシュードライト擬似距離を更に加わる事によって生じるユーザー受信機のDOP(Dilution Of Precision)向上効果により垂直精度の向上を図るものである。

シュードライト適用によるカテゴリーII/III航法性能達成の主な効果は、Accuracy要件としての垂直精度向上と、0.99より0.99999の範囲を持つAvailability要求性能値を0.99999で達成できると期待されている点である。

GBAS運用において、システムが独立して運用できる(Sole-means navigation system)ために必要なAvailability要求値の最大値である0.99999の達成に近づける意味でも、運用におけるシュードライトの適用の意味は大きい。

図3-4に示すGBAS Integrity Monitorは、ICAOやRTCAで認められたシステム概念に基づくものではない。これはGBASシステム全体の機能・性能を監視する独立の機能を設けることが望ましいとの考えで示したものである。

 

 

 

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