被害者の身になって考えよう
大阪被害者相談室顧問・大阪大学人間科学部教授 三木善彦
◆1年の活動を振り返って
大阪被害者相談室の1年の活動については他のページに報告されていますので、私自身が平成9年12月から平成10年12月までの1年余りにどのような活動をしたか、主な出来事を報告しましょう。あまり相談室に姿を現わさなかったので、「顧問=来ンもん=来ない人」と思っている人があるかもしれませんので弁解の意味もこめて…。
1. 平成9年12月13日〜21日:全国防犯協会連合会(全防連)の援助でアメリカ合衆国のテキサス州アービング市のMADD(飲酒運転に反対する母親の会・会員300万人)本部を中心に被害者支援団体や防犯機関、あるいは社会的弱者への援助機関を訪問しました。その結果は後に「米国のMADDの調査報告」(『平成9年度 犯罪被害者対策に関する調査研究報告書』104〜111頁)にまとめました。実際に現地に行って、スタッフに直接インタビューし、直接に自分の目で見たり耳で聞くのは、とてもインパクトがありました。
2. 平成10年1月10日:大阪被害者相談室の相談員養成講座で、「カウンセリングの基礎と方法」について講義。
3. 1月11日:交通事故で子供さんを亡くしたご夫婦との面接。これは平成9年の4月から始まり、月に1回程度お会いしている(以後、記録を省略)。ご夫婦の苦しみに、こちらも苦しくなる。
4. 1月20日:大阪弁護士会の犯罪被害プロジェクト委員会で「犯罪被害者の心理とその援助」について講演。
5. 2月2日:奈良少年刑務所で「被害者の身になって考えよう」を講演(後述)。