3.2 マーケットと卓の規模
●300席から1200席までのホール、つまりホール全体の約75%を占めると推定されるホールを対象とする小〜中規模の普及型ディジタル音響調整卓とする。
さらに、十分な柔軟性を具備できるならば1700席以上まで、つまり95%以上のホールに対応できるものと考える。
もちろん、ホテル宴会場、体育館、アリーナなども対象となる。
8.3 運用条件
●スピーチ・BGMの拡声と催物の記録教務が中心、十分なリハーサルを伴わない、ぶっつけ本番に近い使い方に対応する。
●非常に煩雑なホールの音響業務を支援すること。舞台上の出演者の動向に注意を払い、進行台本を確認しつつ、場内の音量や音質を気にしつつ、ホワイエ・ロビー・楽屋に運営モニタ音声を流し、袖の舞台監督や音響のアシスタントとインカムで通話し、テープレコーダーやエフェクタ類のインジケータに目を光らせるなどという業務内容をほとんど一人でこなしている現状を改善する。
●専任の経験豊かな音響技術者から、学生、市民団体、外部委託者、放送局、若者から老年者まで、男女を問わず、つまりあらゆる人に対応する。
●主に調整室に設置されるが、客席の中や舞台袖、舞台上などでも使用する。
●固定型としても移動型としても、照明操作盤と一体にワゴンとしても使用する。
●電源が落ちることが少なからずある。レジューム機能は必須事項。
●パソコンによるオフライン編集ができること。
●将来、グレードアップしたときもそれまで蓄積したソフト資産が使えること。パソコンの汎用ソフトを経由してもよい。
3.4 設置条件
●屋内のみならず屋外でも使用する。
●ほこり、湿気に耐えること。
●奥行き3〜4mの狭い調整室、上手や下手に偏った調整室、2〜3階という高い位置の調整室。
●電源に高調波ノイズ、インバータノイズが含まれている。
●分割搬入ができること。
さいごに
ホール現場の技術者、機器製造者、設備設計者、施工関係者などとの話し合いや現場にたって感じたことを筆者なりに書き連ねてみた。これが今後のホールの電気音響設備設計に少しでも役に立てば幸いである。
The presenter:
Mr.Makoto Ino has been engaged with sound and video system design for multi-purpose hall, concerthall, and convention large spaces etc. al Nagata Acoustics Inc. since 1975.