◎田村由三郎さん◎
私が大寅興行社に来た時は十九歳(一九三九年)で中荷の興行をしていました。大蛇を使ってショウや魔術や手品ショウなどをやっていました。また中国から来た人は、皿を回したり、剣を飲み込んだり、魔術、曲芸をやっていました。どちらかというと演芸です。劇場で遺家族を招いて慰安興行をやっていました。
大寅の小屋掛けは宮城のように立派でした。屋根を張り出し、軒下に提灯をぶら下げ、欄干をつける。魔宮殿と言っていました。なんでも太夫元が考え出した。考えて作るのが大好きだった。移動動物園の後が今の見世物になったのですが、現在も引き継いでいる大蛇とか犬の芸、マジックショウは、大野寅次郎さんの時代の産物です。