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相国寺(室島)

室島集落の北方の高台にある。曹洞宗相国寺は寺号を松林山といい、上野の長安寺六世量室存応和尚(〜1636)によって寛永3年(1626)に中興されたと伝える。元禄2年(1689)と安永7年(1778)二度の火災にあい、現在の堂宇は天明8年(1788)の再建による。仙田地区で伽藍を構える唯一の寺院である。檀家は、町内で233世帯、このうち仙田地区に163世帯がある。

伽藍は、南を正面として山門、本堂が南北に並び、本堂の東から前よりに庫裏が建ち、その南方、山門との間に鐘楼がある。

本堂は、寄棟造り茅葺き(現在は鉄板瓦棒として覆う)、間口12間・梁間10間の規模の大きな建物である。正面入口が中央より左寄りにあり、間取りは8室からなり曹洞宗の特徴ある平面になっている。虹梁、肘木などの絵様は天明8年(1788)の時代をよくあらわしている。

山門左脇に木股地蔵が祀られている。また、本堂の西方の一段高いところに松苧社がある。

妻有百三十三番札所霊場

妻有百三十三番札所霊場のうち、川西町には九十一番から百五番までがある。仙田地区には、九十三番室島(相国寺)、九十四番藤沢、九十五番岩瀬がある。なお百番上野は重要文化財星名家住宅敷地内にある。九十三番室島(相国寺)の霊場仏は本堂内前廊下の突当たりに安置されている。九十四番藤沢の霊場仏は旧冬期分校の一室に安置されている。九十五番岩瀬は登坂家が自分の家の裏の高台に祀った。御像は、現在は故あって東京都大田区に住む登坂家の縁者に引き取られて護持されている。

社殿形式の考察

仙田の社殿は、本殿部分の前面に弊殿をかいして拝所が接続している形式であり、本殿部分にくらべて拝所の規模が大きく、一見したところ規模の大きな拝殿の奥に本殿部分がついているようでもある。この本殿部分に小規模な本殿(宮殿)を安置するのが一般的である。現在、本殿と拝殿それぞれが独立して建っているものはない。本殿と拝所との規模、取りつき方の違いによって、社殿の平面形式を分類すると次のようになる。

a 長方形平面で、その奥を区画して本殿にあて、前面を拝所にする

 

仙田地区各集落のお堂

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○印は今回調査。備考欄に特記ないものは相国寺受持ちである。

 

 

 

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